この段階では、図面を基に現場で必要となる型枠のサイズや形状、数量を確認します。これにより、正確な材料の手配ができ、無駄なく効率的な施工が可能となります。さらに、型枠の加工図を作成し、現場で作業する職人に対して具体的な指示を出すための基盤を作ります。正確な拾い出しがその後の工程をスムーズに進めるため、非常に重要な作業です。

拾い出しで確認した情報を基に、型枠の材料であるベニヤ板や桟木使って型枠を実際に作成します。加工図を元に、正確な寸法で型枠を切り出し、組み立てていきます。型枠はコンクリートを流し込むための重要な役割を果たすため、強度や精度が求められます。この工程では、細かい調整や仕上げ作業も行い、現場での使用に耐えうる品質を確保します。

現場に型枠を設置するための基準となる位置や高さを決める作業を行います。まず、墨出しで建物の位置や線を現場に正確に記入し、型枠を設置するための指針を作ります。その後、敷桟（しきざん）を敷いて型枠を固定するための土台を作り、型枠が動かないようにしっかりと支えます。これにより、型枠が正確に配置され、コンクリート打設時にずれや歪みを防ぎます。

敷桟の上に型枠を実際に立てていきます。型枠を所定の位置に設置し、精度を確認しながら、ボルトやクランプを使ってしっかりと固定します。型枠が設置されると、コンクリートを流し込む準備が整います。この作業は、型枠の位置や角度が正確であることが重要で、建て込みの精度が後の施工に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。

型枠にコンクリートを流し込みます。コンクリートが型枠内に均等に行き渡るよう、振動を加えて空気を抜き、密度を高めます。打設後は、コンクリートが固まるまで十分に時間を確保し、型枠のずれや変形を防ぎます。一旦コンクリートが固まると修正が困難なため慎重に作業を行います。

叩き作業は、コンクリートの品質を左右する重要な工程の一つです。型枠は正確に組み立てられていても、生コンクリートを流し込む際にはわずかな隙間が生じることがあります。これを防ぐため、コンクリート打設と同時に金槌を使って型枠全体を均等に叩き、内部の空気や隙間を取り除いていきます。音や振動の違いを感じ取りながら行うこの作業には、職人の経験と感覚が欠かせません。叩き作業後は、雨や気温変化の影響を防ぐために適切な養生を行い、コンクリートが完全に硬化するまで丁寧に管理しています。

コンクリートが十分に硬化した後、型枠を解体します。解体時は、コンクリートにダメージを与えないよう慎重に作業を行います。型枠を取り外した後、表面の仕上げや補修を行い、完成度を高めます。この工程では、型枠が綺麗に外れることで、最終的な構造物の品質が保たれるため、丁寧な作業が求められます。